そのときは彼によろしく 市川拓司 2020/09/30~10/02
幼馴染みの女の子との恋愛を描いている。初恋の女の子に生涯想いを馳せることって素敵だと思う。けど、なかなか無いね。それがいい。
市川拓司さんの作品に出てくる男の子は少し変わった子が多い。水辺が大好きで、鼻がつきそうなほどじっと眺めている、不器用で恋には奥手。そんな智史がこのお話の主人公。自分の世界にしか興味がないような男の子に憧れを抱いていた花梨。言葉には時々毒が混じっているけど、人思いで人情の厚いかっこいい女の子。
そんな子がある日、智史の働いているアクアショップに現れて、、、
二人とも全然口にしないけど、お互い大好きで、同じ写真を大事に持っていたのは、恥ずかしくも可愛かった。15年以上かかってやっと結ばれた。
眠ってしまえばもう起きる事はないと悟った花梨は、智史に告げずに去ろうとしていたが、最後は伝えることになる。お互いに言えなかった思いが明かされ、その余韻に浸るまもなく花梨は長い眠りについてしまう。
多くの読者を虜にする作品。