単純にこんな生活ができたら楽しそうと思ってしまった。けど、現実は厳しいだろう。
小さい頃からの夢はある日自分を苦しめ始めるんだろう。
もがいてもがいて、チヨダ・コーキ、環のような人間に近づきたくて仕方ない彼らの憤り、焦り、不安が伝わってくる。
小説を読んでいると、キャ
ラクターが多く出てくるが、辻村さんの作品では各人物が鮮明にイメージされるため、物語に深みが出る。クリエイターが集まれば癖もつきもの。なぜかその癖が心地いい。優しい世界でしか描けない男がいれば、残酷な自分の過去を世間に晒す女もいる。愛すべきキャ
ラクターたち。
さっさと下巻を読もう。