メモ書き程度の読書記録

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スロウハイツの神様 下 辻村深月 2020/10/24~26

 

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

  • 作者:辻村 深月
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫
 

 

スロウハイツに住んでみたくなった。最終章、千代田公輝の真っ直ぐな優しさが胸の中に心地よく残る。環の暗く悲しい過去に何も言わず、気づかれないよう寄り添う姿、これが人を想うということかもしれない。誰しも辛い過去や忘れたいこと、忘れられないことはあると思う。それに真っ向から立ち向かう環、そこから逃げも隠れもせず受け止めようとする公輝、反応は様々だけど、とにかく逞しく、強い。
 
環、スーの恋愛事情もなんだかもどかしくて、もっとうまくいかないものかと思いながらも、恋愛ってこうゆうこと多いよなと少し納得してしまう。好きな人を前にして、振り回されている自分、依存している自分がダメだと気づいても、離れられない。そんな不器用さに応援したくなる。
 
もう少し黒木編集長のことが知りたくなった。ザ・仕事人というような売上にこだわりすぎるがあまり、かなりの反感をかってしまう彼。どんな過去を持っているのだろうか。チヨダ・コーキが辛い時、唯一関わりがあったのは彼だけであって、だからこそ絶対の信頼を置いている。この二人のコンビが好き。
 
辻村さんいつも楽しませてくれてありがとう。
電車の時間が待ち遠しいです。